2017年シーズンに広島県3位という近年最高の成績を残したツネイシブルーパイレーツ(以下TBP)。TBPを率いる松原勲監督に好調の要因をお聞きしました。

”一日一生”が監督の座右の銘。「悔いのないよう毎日全力を尽くします」

―2017年、広島県社会人野球3位おめでとうございます。要因は何だとお考えですか？

選手のモチベーションが向上したことですね。新ユニフォームやサポーターズクラブ発足などグループからのご支援を受け、チーム内で「ここまで支援してもらっているのだから、ピンチでも絶対に諦めない」という気持ちが更に強くなりました。 

 

―3位という結果についての感想はいかがですか？

4位と比べると圧倒的に分かり易いのでまずは嬉しいですね。しかし“全国大会に出場する”という目標は達成できておらず、満足はしていません。2018年は更に上を目指します。

―「野球人である前に、いち社会人たれ」というお考えを持つようになったきっかけは？

2012年に野球を引退してから2年間、社業に専念しました。その時、本当に苦労しました。恥ずかしながらお客様対応など、社会人としての礼儀作法が全く分からなかったのです。選手も会社もそのような苦労が少ない方が良いと思いますので、経験した人間として、選手たちに社会人としての基本を伝えていく必要があると考えています。

 

―選手やコーチのモチベーションを上げるため、何か工夫していることはありますか？

私は、監督のワンマン体制よりも選手やコーチが自分たちで考え、責任をもって実行するボトムアップの方が結果が出ると考えています。ですから権限も委譲します。例えば試合の先発は私ではなくコーチが発案します。もちろん全て任せるのではなく話し合いますが、発案することで彼らのモチベーションが上がります。同時に責任感も生まれ、チームとしての活力が増し結果に繋がると考えています。

 

―権限を委譲すると、収拾が付かなくなることはありませんか？

任せてはいますが、放ったらかしてはいないつもりです。私は練習中必ず、選手やコーチ、スタッフ一人ひとりに近付いていき、たわいもない話をします。「調子良さそうだね、何かあったの？」「少し顔が暗いけど大丈夫？」とコミュニケーションを取ることで、彼らは“見てくれている”と感じるでしょうし、情報交換にもなりチーム状態も把握できます。

 

 

松原勲（まつばら いさお）
1979年生まれ、39歳。常石鉄工所属。多々良学園高から広島医療体育専門学校を経て2003年にTBP入団。2010年、選手を引退しコーチを経て1度目の監督就任。2012年に監督を退任後、社業に専念する。2014年にコーチとして復帰、2016年より監督に就任。受賞歴：選手として広島県ベストナインに2度選出。
休日は2歳になる子どもを連れて球場に出かける。